こんにちは。山岡圭と申します。時々TOTEでアナログフィッシュ関係のライブレポートを書いてます。主に関西でのライブについてレポを書いてますが、住んでいるのは三重県です。
え、三重って中部じゃないの? 近畿だっけ? いや、東海?などと物議を醸す三重です。
そう、三重ってよくわからない。京都、名古屋、大阪といった都市へも意外と近い。だから私自身、京名阪のライブには行くけど実は地元のライブハウスはよく知らない・・・という時期が長かったのです。
それが足元を見てみると、面白そうな場所があることに気づいたのです。しかもライブハウスではなくて、喫茶店やカリー屋みたいなライブ営業がメインでないところが面白い。非ライブハウスだからこれらの場所は大々的にライブ告知をしていないし、場所そのものがそれほど知られていないんですよね。だから、こんな素敵な場所を多くの人に知ってほしいという思いが沸いてきたのです。
というわけで、三重の音楽的に面白い、非ライブハウスの紹介シリーズ、始めます。読者の需要があるとかないとか関係なく、始めます。
第1回目は、伊勢のカフェキャラバン。ちなみに私の実家から車で15分。ドライカレーとコーヒーとレコードのお店です。店主が昔、軽トラックで行商をしていたのでついた店名だそうです。
1976年創業で、一見すると昭和純喫茶風。でもディスプレイされているレコードがなかなかお洒落。BGMは洋邦・新旧取り混ぜたロックです。
店主の息子さん、酒徳武明さんに伺うと、「昔ながらの喫茶店だった部分に、私の世代感が反映されている」とのこと。酒徳さんいわく「少しづつ変化をしながら、近所のおじいちゃんから学生まで幅広い方が来店する、いい意味で中途半端なお店」だそうです。うん、いい。そういうの好きです。
昭和っぽさが残ってます
店内。居心地良いです
酒徳武明さんとThe Pastels
ドライカレーのランチ!
何はともあれ、名物メニュー・ドライカレーのランチをいただきました。一口食べると甘さと旨味を感じます。野菜たっぷりで見た目も美しい。サラダとスープがついて880円。満足。
酒徳さんは「OFFTIME」というイベントをここキャラバンで開催しています。第1回目は2004年開催という歴史あるイベント。当初は洋邦ロックをかけるDJイベントでしたが、キャラバンが30周年を迎えた2006年から現在までは主にアコースティックライブイベントとして開催しているそうです。
過去のライブ出演者は、岡沢じゅん、平井正也、Jaaja、KOTEZ & Yancy、濱口祐自、あだち麗三郎、表現、高木まひこ、アイリッシュ・コーヘイ、藤井邦彦(魚座)等々。そして地元三重からはtio、外村伸二、堀田ダチオ、トーマス、ツダユキコ、Cow-Cow Hot Clouds、雰囲気、Hugなど。
そして「番外編」として、こんなライブもありました。
2011.10.29 Sat. 伊勢RHYTHM
KING BROTHERS、黒猫チェルシー、撃鉄、tio、岡沢じゅん
私が酒徳さんの存在を知ったのはこのライブでした。そう、伊勢の山奥にあるライブハウスにキングブラザーズを呼んだのは彼なのです。これはちょっとした事件や! 呼んだの誰!?と思い、その時お名前を拝見して気になっていたのです。その経緯を酒徳さんに聞きました。
「18歳からキングブラザーズのファンでした。キャラバンの35周年イベントを開催するタイミングと、キングブラザーズの再メジャー進出盤『KILL YOUR IDOL ep』のリリースのタイミングがたまたま重なって。僕の弟がケイゾウさんにコンタクトをとり、熱意が伝わったことで、ツアー初日の日程をおさえて頂けました。 大変でしたが伊勢でやる意味がありました。」
うん。伊勢でやる意味、ありましたよ。マーヤが「西宮!」に続いて「伊勢!」と叫んだ時、伊勢出身の私、感極まりましたから。
2014年12月13日、第30回OFFTIME、「私的ロックンロール座談会」に行ってまいりました。
座談会のルールは「2014年に出た、あるいは購入した音源を持ち寄り、それを流して語る」というもので、参加者は酒徳さんの同級生やキャラバンの常連さんを中心に14名。
開催理由について酒徳さんは、「お客さんや友人、イベントで知り合いになった人と個々にロックの話をしていると凄く楽しくて。これをいろんな人達と好きな音楽を持ち寄って話ができたら面白いことになるんじゃないかと」
「要は聴くだけじゃなくて、話をしたかった。ロックって言っても凄く幅が広くて、人の数だけ聴き方、聴こえ方がある訳で。 自分ひとりで聴いていると聴き方に偏りが出てくるし、それって結構もったいない。SNSで、『今これ聴いています』とつぶやいたり、ジャケットの写真あげてたりする。好きな音楽を聴かせたいという欲求と、聴いたことがない音を聴きたいという欲求を満たす会があってもいいんじゃないかと」
曲に聴き入る一同
選んだ曲のプレゼン中
YUKIのお尻を鑑賞中
「最近ダウンロードが多くてCDが売れないと言われていたり、その反動でライブに行くことが変に重宝されたりするような気がして。ライブはロックの醍醐味であることは変わらないけど、たまには作品として爆音でCDやレコードを楽しむのもいいんじゃないかと。アーティストがもう亡くなっていてライブが観れなかったり、観たくても行けなかったりもするし」
酒徳さんとしてはジャケットを見せながら話をしてもらいたいという目的もあったため、当初持参するのはCDかアナログ盤のみというルールがあったのですが、あっという間にルールが破られていく!
『タモリ3』に衝撃が走る!
「iPodなんですけど」「Youtubeなんですけど」という人が続々と登場。CDとアナログ盤の再生機しかない! どうする! イベントの危機! と思っていたら、別の参加者の鞄からiPod用のスピーカーが出てくるわ、bluetooth対応スピーカーを自宅まで取りに帰り、iPhoneでYoutubeを流すとスピーカーが拾うようになるわ、みるみる機材が充実していく。手作り感しかないイベント。これは楽しい!
後日酒徳さんに伺ったところ、「YoutubeやiPodなど何でもアリだったけど、これは主旨から考えるとグレーかも。ジャケットや歌詞カード、ライナーも一つの作品として話をしてほしかったので、次回開催する時にはテーマも含めて縛りがあっていいかも」とのこと。私はこのイベントで久々にアナログ盤にじっくり触れたのですが、ジャケットって大きな魅力だと再発見しましたし。そしてテーマがあると深い話になりそうで、充実したイベントになる予感がします。
それにしても参加者の皆さん、すごい飛び道具仕込んでましたよ。YUKIのアナログ盤でお尻を堪能したり、パクリ全開・タモリのアナログ盤やほとんどボーカルを取ってない小椋佳で盛り上がったり。ここぞとばかりに狙い澄まして用意したすごいジャケットと音楽の数々。酒徳さんがおっしゃってたように、みんな音楽について話したいんだよね。
またやりましょう!
今回、個人的にはoono yuuki、networksなど、インストバンドの評価が高かったのが印象的でした。ちなみに私的に興味を持ったのはgoat。変拍子すごいわ。
満場一致で「自分では聴かないジャンルをこんなにゆっくりと、しかもこんな大勢で聴くことってないよね。新鮮で楽しい!」という結論。キャラバン恒例のイベントになればいいと思う!
この日のセットリストはキャラバンのブログでご覧ください。
こんな風に三重の素敵な場所と人を不定期で書いていきます。どうぞよろしくお願いします!