グッバイフジヤマ『チェリー』・『チェリッシュ!』インタビュー
INTERVIEW[2017.07.18]
僕の、人生のテーマなんですよ、『チェリー』。それをカバーしたCD、そして自分が作った曲の中で一番好きな『チェリッシュ!』が、入った2枚組み。最高でしかない。

祝☆メジャーデビュー!不思議な繋がりで実現したデビュー曲は、スピッツの『チェリー』のカバー。この人達の引きの強さは半端じゃない!意欲と愛情の詰まった彼等らしい1曲。Disc2には『チェリッシュ!』(笑)ほか、バンドのヒストリーが垣間見える全5曲を収録。計6曲が手に入る2枚組盤は1年間の限定なので絶対手に入れて!
●まずはメジャーデビューおめでとうございます。
中山卓哉:ありがとうございます!
小島"lue"秀和:ありがとうございます!
●今回も前回と同じお2人ですね。よろしくお願いします!メンバー紹介なのですが、今回はお互いをお菓子に例えて下さい。今日いないお二人についても。
ルー:お菓子?
中山:凄い考えちゃうな。ルーは、和菓子のイメージが出てきてて。「よもぎまんじゅう」。わかんないけど(笑)。
ルー:なんでやねん(笑)。
中山:あの…明るいけど落ち着いてる感…よもぎまんじゅうって、その、渋いけど、王道過ぎないと言うか。そこがルーかな。あと、色かな。
ルー:色?(笑)。
中山:色黒なんで(笑)よもぎまんじゅう(笑)。
ルー:ギターのよもぎまんじゅうです(笑)。タクヤは…モンブランかな。
中山:モーンブラン!あははは!(笑)。
ルー:栗っぽいのと、何かモンブラン好きな人って、ずっとモンブラン好きじゃないですか?個性があるっていう。ずっと食べちゃいたくなる。モンブランです。
中山:完全に髪型で言ったでしょ?(笑)。で、ホシミね(高原星美)…綿菓子。何か、角が無いんですよ、あいつ。いろんな事がオッケーなんですよ。でも悪い面で言うと、芯が無いんです。良い面で言うと本当に誰とでもすぐ接する事が出来る。長所と短所がそれですよね。あいつが一番後ろを支えてるから、僕が好き勝手やれる。だからそれに近い綿菓子。すぐ出てきました。
ルー:ケンスケ(中澤健介)は…「かりんとう」ですかね。
中山:色じゃん!あははは(笑)。
ルー:色?(笑)。なんか、よく、おばあちゃんの家とか行くと、お皿ににかりんとうとかお煎餅とか入って出てくるじゃないですか? そこでかりんとうあったら、パッとかりんとう食べちゃうんですけど。何て言うんですかね、良い所持ってく、とか。
中山:わははは(笑)。美味しいトコもってく?
ルー:そう!美味しいトコ持ってく奴。
中山:バンドの中でもそうなんですよ。ずっと黙ってるくせに、一番美味しいオチをアイツが持っていくんですよ、いつも。そういうことだよね?
ルー:そういうこと!世界で一番面白いと思う。
●はい、今回、遂にデビューと。今の心境を教えてください。
中山:いけ!
ルー:はい!今、ギターを始めて15年くらいなんですけど、自分がメジャーデビューするんだっていう実感がまだ、出てきてないですけど、これから、本当にどんな未来が待っているのかと、いう感じですね。凄い嬉しいです。メジャーデビュー決まった時も、色んな友達が連絡くれて。絶対買うからって言ってくれたりとか。本当に音楽やってて良かったなって思いました。
中山:良い話しだね。…僕は、メジャーデビューする・しない、って話はぶっちゃけて言うと実はどちらでもよくて。でも、このメンバーでずっと一緒に音楽やりたいなって思った時に、メンバーが望んでいることを話していて、メジャーに行くって一つのきっかけ…その、今のままズルズルやらない為のきっかけになるなと思って。…ずっと同じチームで同じようにダラダラやってても何も変わらないなと思ってたんですよ。皆はメジャーに行きたいって言ってて、僕はどっちでもいい。嫌な言い方ですけど。
●やりたい事がやりたいようにやれていればって所でですよね?
中山:そうそう。今の感じが最高だなと思ってたんで。好きにやらせてもらえるし、的確なアドバイスももらえるし。でも、現状のままダラダラやってくんであれば、俺達みたいな…流行に乗っかってないモノ? 何処にも所属できない、そういうバンドが、このままやっててもどんどん縮小してくだけかも知れないし、メンバーのモチベーション、自分のモチベーションも保てないかもって思って。一度勝負と言うか、メジャーデビューして、自分達の音楽をもっと広げる努力をしようと思って。
●バンドが大事だからこそ、それを続ける為にと。
中山:はい。ここから頑張るために。チャンスを与えていただけたんで。自分は最近色んな人と話して、色々思うところがあって…僕、自分が大嫌いなんですよ。自分が大嫌いだし、カッコ良くも無いし、モテないし。でも、自分の音楽は大好きで。という事は、自分の書く歌詞とかそういうものが大好き、イコール、結局自分が大好きなんですよ。「逃げたい」とか言ったり歌ったりしてるんですけど、そう言ってる自分が大好きで。で、今、自分がその歌を歌ってるって事は、このままの、ありのままの変わらない自分を肯定されたい、肯定される世の中にしていきたいっていう。そういうエゴもどんどん出して行こうと思います。今までは出してなかったんですけど。
●本当に表と裏って感じですよね、中山さん。上手くバランスを取ってる。ちなみにメジャーが決まったタイミングってどういうものだったんですか?メジャーの中のインディレーベルだったし、チーム的に近い形だったじゃないですか。
中山:本当は来年くらいにメジャーで出せたらって話してたんですけど、ココでメジャーデビューしないと僕2017年頑張れないなって思って。ああ、だから僕が、ですかね。そうしないと色んな事がぶつかっちゃうなと思って。その、言ってしまえばエゴが強い人間なんで、せっかくメンバーと増沢さんと積み上げてきた物を壊さないとこの一年頑張れないなって気持ちになっちゃって。
●あー。壊しては構築するタイプなんだ。
中山:そうなんですよ。そうするとこの3年間とかが無駄になってしまうかなと思って。だから、今の、この積み上げてきた物を、何とかしたい!って。次のステップに行かせていただけたら良いなって。
●はい。色々際どかったんですね。でも音源良かったから、私全然心配してないです(笑)。
ルー:ありがとうございます!
中山:めちゃめちゃ良いですよね!あと、インディの時と変わってないって言われるんですよ。「ここで『チェリッシュ!』か、最高だな!」って(笑)。反応がめちゃくちゃ良いんです。バンドマンとかにもお客さんも。その、メジャーデビューとかって「変わる」タイミングじゃないですか? 「まっっったく変わってないのが最高!」ってめっちゃ言われますね(笑)。『チェリー』に関しては…俺等っぽいって言われます。アレンジしかり。まあ、僕が歌うと僕等っぽくなるんで、どうしても。
●ああ、声が特徴的ですよね。
中山:良くも悪くも僕等っぽい。SNSとか、批判もありますよ、子供みたいな声とか女かよとか。ボカロみたいとか。
ルー:へー。
●いや、邪気の無い良い声ですよ。中々ない声だと思います。ちなみに、何で『チェリー』を選んだのかを聞きたいです。カバー曲でメジャーデビューしたいっていうのが先だったのかとか、どういう順序でこうなったのかなと。
中山:僕が…去年の夏くらいに弾き語りツアーで大阪に行ってたんですね。で、その、大阪に行く前日くらいに、好きな娘に彼氏が出来ちゃったんですよ。
●うわー(笑)。
中山:しかも彼氏が出来てから「好きかも!」って気付いちゃって。もうめちゃくちゃ落ち込んでて、「もう、弾き語りのライブどうしよう…」って。本当にここ数年で一番落ち込んで。元々『チェリー』は物心ついた頃から大好きだったんですよ、何故か(笑)。本当にただ好きだからずっとカバーしてたんです。で、その大阪で、キツすぎて歌えないから、お客さんに「少し歌ってもらっても良いですか?」って歌で慰めてもらって良いですか?って。座るライブで50人くらいいたかな?お客さん全員歌ってくれて。皆で歌えるのって最高だな、音楽ってスゲー!って。心がスッと軽くなって。良い音楽っていうのは皆で歌えるんだって結論付いて。こういう音楽が自分でも出来たら良いなって。僕らのライブでも歌いたいなって思ってSEで使い始めたんですよ。それと同時に、次の音源ではカバーしよう、って自分の中で勝手に決めてて、メンバーにも言わず。
ルー:へー。確かに聞いて無かったです。全く聞いてなかった!
中山:で、メジャーの話になった時に、「チェリーのカバーで」って(笑)。確か、大阪の弾き語りが9月の終わりくらいで、10月には僕の中で決めちゃってるんですよ(笑)。
スタッフ:11月の段階ではもうそういう話をしてて、クアトロのライブに竹内さん(本家スピッツのディレクターを務める竹内修氏)が来てくれてたんです。メンバーには最初は難しいなって話してて、もう一つ何か要素が乗っかったら可能性があるかなって話をしてました。
中山:そう、そのもう一つの要素が竹内さんで。竹内さんがプロデュースやってくれる事になって、やれるかもって。
●竹内さんとグッバイフジヤマは元々繋がりがあったんですか?
中山:いや、無いんですけど、竹内さんに知っていただいてたみたいで。
スタッフ:今の体制になってから気にしてくれてたみたいです。
中山:なのでプロデュースを引き受けてくれると決まった時はやったぁ!って。
●はい、その前にはメンバーも知らなかったって事で、その話を聞かされた時にどう思いました?
ルー:そん時は「マジか!」ってなってましたね。けど、出来たら良いなって思ってましたね。で、いざ、竹内さんのOK出たら、またもう一回「マジか!!」ってなった。
中山:あはは(笑)。皆「マジか!」って言ってたもんね、俺以外。
ルー:まさかと。だって『チェリー』は皆持ってましたし、僕も買ってたし。8cmCD。
中山:短冊ね。顔のやつだよね。
ルー:そう、切手みたいな。
●ただただ好きだったからって所が凄いですね。
中山:いやもう大好きなんで。たまたまなんですけど、今年スピッツが30周年でもあるし。スピッツのファンの方達って優しいなって。思ったより厳しい批判もなく、「スピッツのカバー流行ってるんだ」とか。勿論賛否両論ありますけどね。僕も好きなバンドのカバーを聴いて色々思いますし、それはしょうがない。
●はい。でも竹内さんってことは、本家スピッツの皆さんも知ってるってことですよね。
中山:う…その辺り聞きたいけど怖いです。
●(笑)MCではライブのSEに使ってたのも伏線、みたいな話をしてましたけど。
ルー:でも、『チェリー』にするって決まる前から使ってた。タクヤの弾き語り終わってから、もう『チェリー』で、って。
中山:SEで『チェリー』使うからって(笑)。極端って言われます(笑)。右か左かしかないんで、僕。中間の発想が無いんですよ、それも最近気付いた。僕に関わる人間は分かると思うんですけど。
●お。ルーさん、どうですか?
ルー:…は、はい。
中山:(笑)バンドの中で、僕の事「極端だよ」って言うの禁止してるんですよ。3回言われたら僕キレるんで。
ルー:でも振ってくるんですよ、何か。「お前ら極端だとか言うなよ」って。かまって欲しいんですよ。
中山:だって僕が何か言った時に「極端だな…」って空気が流れるんですよ。こいつら言おうとしてる!って、釘刺しておかないと俺怒っちゃうから(笑)。
ルー:もう、振りですよ。振り。
●子供か!(笑)。
中山:子供っすよ!俺(笑)。めっちゃ子供っすよ!