グッバイフジヤマ『チェリー』・『チェリッシュ!』インタビュー
INTERVIEW[2017.07.18]
●『海辺のまちのカーニバル』これはいつ頃からあった曲なんですか?
中山:バンド結成してすぐですね。2012年とかには多分ありました。だから、最初に僕らが広まった時には演ってた曲です。デモに入ってて、そのデモはかなり売れたんで4,5年前ですね。だから初期の。
●私はその最初のデモ盤は知らないんですけど、アレンジとかは同じなんですか?
中山:リズムはまんまなんですけど、初期はギターは僕1本しか居なかったんで。だいぶ違うよね、もっとチープだよね。今回ギター最高だよね。加点が多いな。
ルー:ふわっと流して、合わせてみまーすって演ったら、OKだったんですよ。
中山:ちなみに僕もちゃんと片方ギター弾いてるんですよ。俺が1本、ルーが1本。振り分けは全曲やってますね。
●ああ、なるほど。各楽器のキャラクターが際立ってて音も面白かったです。あれですね、ルーさんのギターが神がかってたと。
ルー:このアルバムに関しては神がかってましたね!この『海辺のまちのカーニバル』、僕凄い好きだったんですよ。僕が入る前から、「これ一番良いじゃん」って思ってて。実際ライブではやるけど、今までずっと前のデモ盤で。数年間演ってた中で、結構自分が思ってた事が出来たんですよ。例えばこういうカッティング入れたかった~とか、アウトロにギターソロ入れたいとか。
中山:(笑)アウトロのギターソロ超良い!
ルー:超良いよ!でもスティーリー・ダンのオマージュなんですよ(笑)。レコーディング楽しかったですね。
中山:このシーンでここまで弾ける人いるのかなって思っちゃいますね。ルーは同世代の中ではかなり…
ルー:弾いちゃう?弾いちゃう?
中山:弾いちゃう。ラジオとかに呼んで貰う時とか言われるもん。ギター弾いてますねって。「グッバイフジヤマ」って可愛らしい青春パンクっぽいイメージがあると思うんですけど、全然違いますよねって(笑)。
●何か凄い無邪気なところがあるのにめちゃめちゃ高度な事やってたりするじゃないですか。
ルー:ケンスケとか正にそうだよね。
中山:て言うか、めっちゃ上手いっすよ。僕等。本当に(笑)。
●(笑)本当に奇跡のバランスですよね。嫌味がなく…めっちゃ上手い高校2年生みたいな。
中山:技術だけはプロみたいな(笑)。気持ちが完全に高2くらいですからね。話してて思ったけど、俺はたいして上手くないけど、俺以外の3人って俺が居なかったらBRADIOとかになれるくらいの、お前等そういうレベルだと思ってる。だから、この3人が音楽やれることを俺が守んなきゃなって思います。頑張ろう!上手いもん、だって。
●この曲のテーマは?
中山:架空なんですけど、全く僕の妄想で作った曲で、スウェーデンにヘルシンキっていう街があって、ヘルシンキに住んでるシングルマザーの子供、男の子が主人公なんですよ。それが自分になったつもりで、この街に居ても何にも無いのにな~って。メーデーにワルプルギスの夜っていう魔女達が踊りだす夜っていうのがあって、その前の日の夜中の歌なんですよ。4月30日の一日を切り取った歌。で、メーデーはパレードが行われるらしいんです。
●はい。あと気になったのが、結構ひらがなと漢字の使い分けがあって、一曲の中でもあるんですけど。その振り分けは?
中山:ああ、主人公のイメージですね。その、それぞれの曲に主人公が居て、僕じゃない事が多いんでその世界感とかイメージにあわせてます、漢字かひらがなかは。

●次は『ひみつのなつやすみ』。
中山:タイトルがひらがななのは、これ小学生の歌なんですよ。漫画が元にあって。小学生の男の子と女の子が、逃げちゃうみたいな。でもまだまだ子供だからこんな事は出来なくってって曲なんです。グッバイフジヤマだからひらがなとか漢字とかじゃなくて曲の主人公によって、ですね。たまに漢字の「僕」とひらがなの「ぼく」が1曲の中にあったりしますけど、それは向けてる人が違うと言うか。その時の僕らの年齢とか感じ方とか。漢字の方が大人だと思ってて、勝手に。で、『ひみつのなつやすみ』の「僕」が漢字なのは、主人公が背伸びしてるからなんです。
ルー:へー。
中山:これは最初ひらがなで書いたんですけど、なんかしっくり来なくて。漢字に直して、そういう事だなと。背伸びしてるんですよね。だから漢字も多いし、タイトルはひらがなにして。何か…お客さんから差し入れで本をいただいた事があって、読んだら凄く感動してしまって。曲が出来そうって思って出てきた曲です。ただ、「もういいかい まだだよ」だけ、別のフレーズであったんですよ。違う曲作ってる時に、あ、こっちだなって持ってきて足しました。それ以外はパッと出てきましたね。この「もういいかい まだだよ」がキモだと思います。自分の中では。
●行き来をする感じが良いですね。行ける・行けない、みたいな。
中山:はいはい。行けないんですよねー、大体(笑)。ギターはどう?これ。結構自分を殺してるんじゃないかなって。
ルー:あ、でも、ギター、本数が凄い入ってるね。6本くらいか。あとスタジオにテープエコーっていう。
中山:アナログ機器があって。超難かったよね(笑)。
ルー:そう、Aメロのちょっとしか使わないのに、コレ使いたいっすって。皆で一緒になってそのアルペジオを録るみたいな。一生懸命。
中山:手動で、音が変わるんですよ。
ルー:テープが入ってて、ディレイ音を出すアナログ機器があって。
中山:違う違う!コレじゃない!とか(笑)。またあれ使いたいな。
ルー:皆で頑張って。凄い空気感出ましたね。
中山:夏の終わりみたいな、かげろう感を出したくて。

●最後は『Hallelujah!』、これはこの盤の為に。
中山:はい。元々は…去年、もう解散しちゃったアイドルが居て、曲を書いてくれって言われた時に出した曲で。サビだけですけど、歌詞も違ったし、曲としても違ってもっとアイドルっぽい曲でしたね。でも、結局使われなかったんで、サビも好きだったから自分達らしい歌詞に変えてテンポも変えて、AメロBメロ全く違う感じにして、書き直しました。ちょうど増沢さんに短い曲が欲しいって言われたんで、『Hallelujah!』でやろうって。1曲だけその…メジャーデビューだから前向きな曲書いてみようって意識して。だから歌詞が前向きなんです。
●ゴキゲンなカントリーで。
中山:「ハレルヤ僕等の未来に幸あれ」メジャーデビューだから書ける歌詞かな。こっぱずかしいけど。
ルー:ははは(笑)。明るい・前向き。
中山:こっぱずかしいす(小声)。
●でも書けた!と。「ハレルヤ君も一緒に連れてくよ」って所はお客さんに向けて言ってるのかなって。
中山:そうです。正に。
●そうすると、前作の「この胸いっぱいの愛を」から続いてる感覚しますね。
中山:そう、置いていかないよって。変わらないから。って所ですね。

●本当に贅沢な盤ですよね。改めて、どんな盤が出来たかとか。
ルー:本当に今の自分達が出したいものが出せたなって思います。本当に思い入れがある曲もあるし、『Hallelujah!』みたいなキタコレシリーズもあるし。本当、たくさんの人に手にとって貰って聴いて欲しい。それぐらいの自信作です!
中山:とりあえず、ここに来て一番良い盤が出来てよかったなって。…僕の、人生のテーマなんですよ、『チェリー』。それはもう前からずっと言ってるんですけど。この人生のテーマをカバーしたCD、そして、今…揺らぐか揺らがないかは人生色々あるんで分からないですけど、想像した以上に騒がしい未来が待ってるんで。一番、自分が作った曲の中で好きな『チェリッシュ!』が、入った2枚組み。最高でしかない。それしかない。最高の一枚です!
●さ、最高の2枚組み?
全員:わははは(笑)。
中山:最高の2枚です!
ルー:最高の2枚組み!
中山:でも2枚組みなんだけど一枚です!これが響かないのは悔しいから、これが響くような世の中にしたいですね。

●今後の予定なんですが、8月にレコ発ツアーがあって、まず、このレコ発ツアーのタイトルですけど(笑)。
中山:そうですね(笑)。急に思い浮かんで。
ルー:急に(笑)。
中山:その瞬間にタワレコ特典で『Cherry Boy』って曲付けましょう!って。で、レコーディングの前日に『Cherry Boy』って曲を作ったんです。スタジオ入って。しかもそれがめっちゃ良い曲っていう。多分ライブでいっぱい演ります。だからタワレコ盤買った方が良いかなって思いますね。
●じゃあ2枚目をお求めの方はタワレコ盤を(笑)。どんなツアーになりそうですか?
ルー:対バンが今までお世話になった人とか、やりたかったバンドなんで。やっぱりどうなっても初心を忘れずに、来てくれるお客さんを楽しませなきゃいけないなと思うので。遠くから来てくれる人も居るし。そういう人達に「俺達、今こんな楽しい事やってんだぜ」って。ちゃんと見せれれば良いなって思います。
中山:僕は、メジャー一発目だから気合は入りますけど、せっかくこんなに色んな人に関わってもらって助けて貰ったりする部分も増えるんで、そこはちゃんと意識をしていきたいと言うか、広めるための意識はしつつ、でも変わらないよって見せたい、ちゃんと。変わらないからついて来て、連れて行くから、良い所まで、頑張るから。俺達みたいな人として肩身の狭いやつらが胸張って生きれるようなシーンにしたいんですよ。それはずっと思ってて。情けない奴らが輝いてたらカッコよくね?って。だから一緒に行こうぜって。見せてあげられるようなツアーにしたいです!
●はい。ちなみに、今後の野望などあれば教えてください。
中山:よし!俺達の野望を言ってやろうぜ!
ルー:おう!
中山:僕ら、ここにいる2人が今彼女いないんですけど、もう夏ですよ!彼女を作ろうと!ルーか俺どっちかに彼女出来たら、シングルを出したりツアーしたりしようと思います!恋をしよう!『チェリー』、『チェリッシュ!』の後は恋をしましょう!
ルー:本当に彼女欲しいです!(笑)。
●何だこれ?(笑)ありがとうございました(笑)。
(文・写真(2P以降):朝倉文江)


『チェリー』
★期間限定生産盤CD2枚組
Disc1
01. チェリー

Disc2:5曲入りミニアルバム
01. チェリッシュ!
02. いつも飛んでる♪
03. 海辺のまちのカーニバル
04. ひみつのなつやすみ
05. Hallelujah!

TECI-566
1,800円(税別)
インペリアルレコード
2017.6.28発売

LIVE SCHEDULE
メジャー1stシングル「チェリー」レコ発ツアー
ウィー・アー・(ノット)・チェリーボーイズ!

2017.8.17(木)大阪・心斎橋Pangea  
w/ドラマチックアラスカ/ナードマグネット
2017.8.18(金)名古屋・新栄CLUB ROCK’N’ROLL 
w/ドラマチックアラスカ/みそっかす
2017.8.21(月)東京・下北沢SHELTER  
w/ザ・チャレンジ
2017.8.22(火)東京・下北沢SHELTER 
w/SAKANAMON

■公式HP http://lumpennk.wixsite.com/goodbyefujiyama