■2013.06.16 東京Zepp DiverCity
TOUR Dancing Zombiez
“Rock'N'Roll Hell !!! AFOCの地獄突きツアー”
REPORT[2013.07.15]
シングル『Dancing Zombiez』の東名阪ツアー、最終日の東京は初の東京Zepp DiverCity公演だ。このライブの特別企画、ゾンビメイクコーナーもあり、ホールの周辺にはゾンビと化した人々がうようよ。ガン○ムの足元にもふらふら、そして会場の中に入るとゾンビ隊に迎えられ、受付のスタッフまでゾンビという徹底ぶりだ。怖い(笑)。
SEが流れ、メンバーがステージに現れると野太い歓声が湧いた。ステージのバックは紅い布が巨大なカーテンのようにドレープたっぷりに覆っている。挑発的な色も今夜に相応しい。1曲目『博士の異常な愛情』からライブスタート。佐々木、ソネのギターが唸り、HISAYOのベースが吠え、渡邊のドラムがブチかます。場内は一気に沸いた。梅雨明け間近の場外の湿気に劣らない、じっとりとした熱気が増していく。赤いライトに照らされて、音をぶっ放してくるステージに負けじと踊るゾンビたち。これは今日は凄いことになる!曲終わりで真横に右手を突き出し、ガッツポーズするボーカル佐々木亮介。「おはようございます。a flood of circleです」とお馴染みの挨拶を挟み、2曲目『Diver's High』へ。一変して青いライトでムードを変える。「VAVAVA…」では攻めるようにステージからフロア前方へフラッシュライトが射し、まるでかかって来いって言われているようだ。ドラムのキメでは渡邊にスポットが当たる。各パートの見せ場をガッツリ際立たせる趣向のようだ。ライトで気が付いた、HISAYOの網タイツが何ともセクシーでハレンチでカッコイイ!流石姐さん。女から見てカッコイイオンナはそうそういない。次は間髪入れずに『泥水のメロディー』へ。佐々木とソネがギターを掲げ上げ、フロアを煽る。ここに来てダイバーが出没!「生きている」ではフロアの端から端まで拳が上がった。佐々木が改めて「Rock'N'Roll Hellへようこそ!」と言い、次は『King Cobra Twist』。ダイバーシティがダンスホールと化す。ロックンロールダンスフロアだ。ひとしきり暴れた後は佐々木がギターを置き、黒いタンバリンを手にする。『Sweet Home Battle Field』、挑発的に観客を煽り、ハンドマイクで歌っている。そしてサビはフロアに歌わせる。この一体感、ぶつかり合いながら発生している熱量を操る佐々木はこの空間を支配しているキングだ。
次は渡邊のドラムきっかけで『アイ・ラヴ・ロックンロール』へ。HISAYOが手拍子を先導し、フロアの手拍子と演奏が一体になる。この人数の手拍子だと堅い、太い音になるんだなと改めて思った。そこに乗せる佐々木の言葉達。2千人越えのフロアとステージの4人で競っているよう。何度も言葉を繰り出し、観客にも歌わせたこのナンバー、佐々木はアウトロでフロアを見て嬉しそうに笑った。
音がおさまったフロアから各メンバーの名前を呼ぶ声が聴こえる。ここで短いMC。佐々木は黒いギターを手にし、せっかくなんで古い曲も演ります、と『百鬼夜行』へ。まるでゾンビ達に捧げるようだ。この百鬼夜行もそうだが、フラッドの曲にはゾンビ、ゴースト、ユーレイ等々、元々人であって、人でなくなったモノが意外と多い事に気が付いた。それらが持っている独特の憂いが佐々木に纏わり付いているんだろうか。『俺はお前の噛ませ犬じゃない』の後はMC。タイトルについてのコメントをしつつ、次は新曲を披露。佐々木、ソネのギターの競演から始まる『The Future Is Mine』!最高の抜け感と疾走感、楽しく弾めるナンバーだ。サビに入るキメのタイミングで強く、右手でフロアを射した佐々木。インタビューで言っていた、音を出す側の自分達と受け取る側の観客とのコミュニケーション、見ているものは一つなんだって事なんだろう。ラスト、歌いきった瞬間、笑った顔が印象的だった。渡邊のシャッフルビートで『I LOVE YOU』へ。軽やかなギターフレーズが楽曲を彩っていく。HISAYOはステップを踏みながらビートを刻み、笑顔でフロアを見ている。ドラム台に乗ってジャンプする佐々木、「未来は君のもんなのさ」の部分ではフロアを指差した!最後は4人が輪になって音締め。大きな歓声が湧く。「こんなに大量のゾンビを見たのは初めて。こっそり本物が混じってるんじゃない?」と短いMCを挟み『YU-REI Song』へ。ゾンビメイクについて話した後は後半戦、『Blood Red Shoes』から加速していく。赤いライトと、バックの紅い幕に映るメンバーの影がセクシーでカッコよかった。曲が進むに連れダイバーが増えていく。勿論ゾンビダイバーも混ざってる(笑)。次は佐々木のギターから『The Beautiful Monkeys』へ。なんと「かかってこい!」という宣言も。ガチンコだ。赤いライトに浮かぶステージと緑のライトに照らされたフロアのアンバランス、美しいカオスだ。緑のライトの中でうごめく手拍子の腕達、そこにぶつかる佐々木の歌。不調和が調和に摩り替わる瞬間にゾクリとした。続く『シーガル』ではラストに佐々木が黒いギターを抱え上げ「ロックンロール!」と大きく叫んでいた。いや、吠えていた。儀式のようにドラムを中心に集まり、『プシケ』へ。メンバー紹介含む、初期からある重要な一曲。鬼気迫る表情で前を睨んで歌うその姿に圧倒された。ステージからは遠い後ろで見ているのに、異様に大きく見える。彼の気迫がダイバーシティを圧倒していたんだ。一息置いた所で『月面のプール』を演奏。サビでフロア全体に映し出された円形のライト光、水面に光る煌めきを反射したような沢山の光の粒が天井、壁、フロアを満たしていた。ステージからはどんな風に見えていたんだろうか。ここからラストに向かって疾走していく。『FUCK FOREVER』は佐々木の弾き語りで一節唄われた後、バンドでガツンと弾丸スタート!フロアからは勿論アノ手が上がる(笑)。続く『Human License』では渡邊のドラムに合わせてステップを踏むHISAYO。青く煙ったライトの中、HISAYOのダンスも見ものだった。哀愁のあるギターでクールダウンして、またサビへ向けて一気にヒートアップ!ラスサビ前、渡邊がスティックで天を指すシーンもあり、その一瞬がとてつもなくカッコよかった。ラストは「何度でも立ち上がれ!」と叫んで『Dancing Zombiez』へ。赤と紫のライトがウィルスのよう。きっとゾンビ達も人に紛れながら増殖していたんだろう。フロアは踊りまくり、そしてなんとステージにもゾンビ軍団が現れた!この突き抜けた感覚、最高だ。大盛りあがりで本編は終了。ソネがゾンビを抱えながらステージを下がっていき、笑いと拍手が起こっていた。