見放題2014
見放題実行委員長・民やん インタビュー
SPECIAL[2014.07.02]

大阪で一番早い夏フェス! 今年は7月5日(土)に開催!
ここ数年で急増したサーキット・イベント、その中でも異彩を放つ『見放題』とは?
今年はアンダーグラウンドから全国区までを網羅する120組が出演。ミナミのライブスペース15店を使い、ディープオーサカ&リアルなライブシーンが目撃出来る、とびきり贅沢なイベントだ。主宰の一人、見放題実行委員長・民やん氏に始まりの話からアレコレ聞きました。
●改めまして、見放題が始まったいきさつから教えてください。
民やん:元々は、2007年の冬くらいに…見放題は、僕ともう一人の主宰でDai-chang(だいちゃん)っていうのがいまして、2人とも個人でイベントをやってたんですね。当時はお互いの存在は知りつつ、友達では無かったんです。
●ああ、男子同士ってそういうところありますよね(笑)。
民やん:そうそう(笑)一定の距離感があって。Dai-changから呼び出されて、「一緒にイベントやらないか?」と。地図を持ってきて広げられて、サーキットイベントやらないか?って誘われたのが2007年ですね。最初は大阪の梅田、いわゆるキタでスタートしました。
●はい、大阪と言うと既にMINAMI WHEELもあったと思うんですけど、そこで更にサーキットイベントをやろうと思ったきっかけは何か2人の中であったんですか?
民やん:その…やっぱりMINAMI WHEELはショウケースライブと言うか、これからの話題のバンドとか新しいバンドとか、いわゆる媒体さん向けのバンドがピックアップされていて…。大阪のシーンとか、アンダーグラウンドに居るバンドが中々そういう表舞台に出られなくて、そういうバンドがひっぱれるようなイベントをしたいと思ってたんですよね。当時はそういうバンドとの付き合いが多かったし、関西のシーンを盛り上げたいっていうのもあったし。最初のスタンスはそこですよね。
●それもあって最初はキタでやってたっていうのもあるんですか?
民やん:ありますね。大きさでいうと、一番大きいハコで150人くらいしか入らない処で、小さいところだと50人とか。そういう規模だったんで。最初は本当、めちゃめちゃミニマムなサイズでやってたんです。
●第一回目は何バンドくらいで開催だったんですか?
民やん:1年目は30数組で、実は一ヶ所だけ、朝の5時まで演るという、訳の分からないことを(笑)。結果、しんど過ぎるっていう(笑)。当然なんですけど、夜中の時間帯はお客さんも少なくて。打ち上げも出来ないし、これはオールは失敗やなって、オールナイト公演は一年目で即効終わったんですけど(笑)。
●なるほど(笑)。オールはDJタイムも挟んだり?
民やん:いや、全部バンドライブでしたね。だから一会場だけ10数組出る事になったりして。朝の5時まで。
●それは凄いですね。よくハコもOK出しましたね(笑)。
民やん:そうですね、今思えば(笑)。
●その、朝まで演ったのはどこだったんですか?
民やん:梅田RAIN DOGSですね。今はもう無いんですけど。
●はい。サーキットイベントを実際やってみて、続けよう、来年もやろうと思ったのは?
民やん:ああ、それは最初っから。一回だけで終わっては意味がないと思ってたので、成功しようが失敗しようが絶対続けようっていうのがあったんですよ。一回目が赤字になってもやろうって。言ってしまえば僕もDai-changも当時別に職をもってたからお金的な余裕も少しあったので(苦笑)。まあ一回目から大成功するとも思ってなかったし、結果的には正直赤字だったんですけど。でもその1年目があったからこそ2年目3年目に続いていくんで。
●なるほど。現場で頑張ってるバンドを引っ張りたいっていうほかに、何か決め事とかはあったんですか?
民やん:当時で言うと、ちゃんとつながりがあるバンド、顔が見えてお互いが分かってる…その、ステージからもちゃんと熱を発して欲しいっていうのがあったんですよね。正直1年目はそこまで突き詰められなかったんですけど。だから2年目からですかね。一緒にこの見放題というイベントを作り上げて行けるアーティストとやりたいっていうのは。
●あ、最初は「呼ぶ側」、「演る側」的な感じだったんですか?
民やん:そうなんですよ。僕らも分からずに始めて、皆も出るだけの。当時は皆が頑張らないと動員が付いていかないバンドが多かったんで、そういう意識だとお客さんも少ないし。僕らも勿論ダメだったんですけど、出演者との意思疎通も出来なくてだめだったっていう経緯もあったので。2年目からはそこを大事にしていって。出演者も巻き込んでイベントを作っていこうって。その気持ちは今でも一緒ですね。
●じゃあ課題の多かった1年目を踏まえて、2年目から今みたいな姿勢に?
民やん:そうですね。ほんと、大きかったなって。やっぱり2年目は色々シビアに考えましたね。気持ちの面もだけど、バンドの動員とかも考えたり。今はイベントもある程度認知されてきたので、お客さんも楽しそうってだけで来てくれるところもあるけど、当時は本当に色々シビアに考えなきゃだめでしたね。バンドの足し算でしかお客さんが入らないような状況だったんで。本当はそれに頼っちゃいけないんだけど。それをバンドに言えば、やっぱり嫌がるバンドもいるじゃないですか?
●ノルマ的な?
民やん:(笑)ノルマとは言わなかったですけど、僕らはノルマより厳しいよって。お客さん呼べなかったから補填してくれとも言わなかったし。でも呼べなかったら来年は呼べないよ、とか(苦笑)。頑張ってくれたバンドには、僕らなりに還せる物を還したいし、来年も呼びたいし、他の部分でもサポートしたりとか。僕らもラジオとかに呼んでもらえる時はお勧めとして曲を掛けたりとかしてますね。
●持ちつ持たれつみたいな。
民やん:そうそう。そういう関係になれたら。でも、別にいい子ちゃん、ハイハイって言う子らだけじゃなくて、やんちゃな奴らも、正直音楽性が面白ければ呼びたいし。だから一概には言えないんですよね。バンドによって内容が違うので。